こんにちはKen(@bootsfreak)です。
今回は映画の中の革靴 Tetbury編です。
007の新作「NO TIME TO DIE」の公開延期が決定してしまい、ショックを受けている007ファンも多いのではないでしょうか。
この記事は、007シリーズの最新作「No TIME TO DIE」を楽しむことや、007シリーズ作品をもっと楽しむために、主人公ジェームズボンドが映画で着用している靴にフォーカスして紹介する記事です。
今回は2012年に公開されたダニエルクレイグがボンド演じた3作目「SKYFALL」で着用しているTetburyを紹介します。
Crockett&Jones Tetburyとは
Tetburyとは
正統派のシンプルでシャープなチャッカです。
高さは異なりますが、正装を源とするジョージブーツに近い雰囲気です。
チャッカブーツなので立っている時はブーツかどうかの判別がしづらく、座った時にちらりと覗くその姿がお洒落感を演出します。
アッパーについて
Tetburyのアッパーにはカーフレザーが使用されています。
Crockett&Jonesのアッパーレザーは裁断工程の段階で傷や血スジなどを見逃さないよう、徹底的にチェックされているためアッパーレザーの品質は他の英国靴メーカーと比較してもかなり優れています。
TetburyはCrockett&Jonesの「Main Collection(メインコレクション)」に位置付けられており、高級ラインの「Hand Grade Collection(ハンドグレードコレクション)」よりもランクが落ちると思われがちです。
しかし、製造工程の差が価格に影響しており、使っている材料はどちらも高いクオリティの物を使用しているため、Main Collection(メインコレクション)」でも高いクオリティの靴を履くことができます。
ちなみに、TetburyのスウェードレザーのモデルはCrockett&Jonesの推奨するサマーブーツTOP5にも選ばれています。
ラストについて
Tetburyにはラスト348が使用されています。
348は2004年11月に生み出されたラストでクロケット&ジョーンズの中でも比較的モダンなものです。
このラストは、クロケット&ジョーンズを代表する「337」をベースとしたパリ発のラストをよりモダナイズに仕上げ、スタイリッシュにアップデートさせたものです。
348は定番ラストである337や367ラストに比べると、トゥが細く、ロングノーズシルエットとなっているのが特徴です。
製法について
グッドイヤーウェルト製法で製造されています。
しかし、ウェルトがアッパーに覆い被さるように設計されているため、英国靴の耐久性を保持しながらもイタリア靴のようなスタイリッシュさを持ち合わせています。
しかし耐久性が高い反面、注意点もあります。
頑丈に作られているため新品の状態では非常に硬く、足に馴染むまで時間がかかります。
マッケイ製法の靴などと比較するとその差は歴然ですが、耐久性が高い分、じっくり時間をかけて靴を育てることができるのもグッドイヤーウェルト製法の靴の魅力の一つです。
ソールについて
ダイナイトソールが使用されています。
Crockett&Jones社が使用しているダイナイトソールはハーバーラバー社によってイギリスで製造されているものです。
ダイナイトソールは悪天候でも滑りにくいグリップ力が特徴です。
底面に施された凹凸は、歩行時に最適のグリップ力を生みだしてくれるためレザーソールの靴と比べるととても歩きやすいです。
高いグリップ力を実現しているにもかかわらず、外観上はフラットなため洗練された英国紳士靴の外観を損なわない。まさに縁の下の力持ちといったソールです。
映画の中のTetbury
映画での登場シーン
SKYFALLの作中での着用シーンは、オープニングであるトルコでのシーンで着用しています。
映画の冒頭からオープニングまでの間でパトリスと電車の上で戦うシーンでTetburyを着用していることを確認できるかと思います。
写真は映画冒頭シーンを撮影している時のもので、ボンド役のダニエルクレイグと彼のスタントマンが写っています。
スタイル
トムフォードのグレーのスーツにTetburyを合わせています。
ブラックのカーフレザータイプを着用しており、スーツを際立たせるシンプルなチャッカブーツという側面と靴を際立たせるシンプルなスーツという相乗効果的なコーディネートだと思います。
まとめ
SKYFALLから、007シリーズの靴の衣装提供ブランドがCrockett&Jonesになり、毎作品ごとに結構な数のモデルが登場しています。
007は靴に注目しても面白い映画だと思うので是非皆さんも靴に注目して「SKYFALL」と「SPECTRE」をご鑑賞ください。
そして「NO TIME TO DIE」を楽しみましょう。